電気情報工学科の教員が取り組んでいる研究活動を紹介します。
田窪研究室
- 研究内容
- 未知の素粒子探索、計量言語学
- 関連情報
- researchmap / 研究室ページ
宇宙観測の結果、人類がこれまでに発見してきた素粒子が、宇宙全体のエネルギーに占める割合は、わずか約5%に過ぎないことが明らかになっています。残りの約27%は未知の素粒子である暗黒物質、さらに約70%は未知のエネルギーによるものとされています。このような背景から、宇宙の本質を理解するためには、暗黒物質の正体を解明することが重要な課題となっています。
一方で、素粒子のようなミクロの世界は、量子力学という法則に従って記述されます。近年では、この量子力学の特性を利用した新しい計算機である量子コンピュータの開発が、世界的な競争の中で急速に進められています。すなわち人類は現在、素粒子や量子力学の原理を理解する段階から、それらを実際に活用する段階へと移行しつつあります。
田窪研究室では、「暗黒物質を捉えるための検出器システムの開発」に取り組むとともに、素粒子実験で培われたデータ解析技術を応用し、「自然言語の統計的性質の研究」も推進しています。また、量子コンピュータの実用化を見据えて、量子技術教育の研究にも取り組んでいます。
矢野研究室
- 研究内容
- 高エネルギー素粒子実験、ニュートリノ研究
- 関連情報
- researchmap
高エネルギー素粒子実験、なかでもニュートリノ研究は、日本が世界をリードしてきた分野の一つです。私の研究はニュートリノの性質や振る舞いを明らかにし、またニュートリノを用いて超新星などの天体を観測することを目的としています。ニュートリノは非常に軽く、電荷を持たない素粒子であり、地球のような大きさの物質でもほとんど通り抜けてしまいます。そのため、ニュートリノの観測は非常に困難ですが、その性質を解明することは宇宙の成り立ちや基本的な物理法則の理解に重要な手がかりとなります。
私の研究グループでは国内のニュートリノ実験であるスーパーカミオカンデやT2K実験を推進しています。これらの実験では十数光子の微弱な信号を捉える大型水チェレンコフ検出器や、光速の99.98%まで陽子を加速する強力な粒子加速器が用いられています。このような実験施設の実現や運用には、新たな技術の開発や研究を欠かすことはできません。私たちは次世代の実験であるハイパーカミオカンデについても、その設計や建設、研究開発に積極的に参加しています。
これらの実験では、ニュートリノの振動現象を観測し、ニュートリノが質量を持つことを示す重要な証拠が得られました。現在ではニュートリノ反応から生じる中性子の観測能力を大幅に高める改良を行い、新たな天体事象・物理現象の探索や、ニュートリノの性質のさらなる理解を目指しています。また、2028年にはスーパーカミオカンデの8倍の有効体積を持つハイパーカミオカンデが観測を開始し、これまでにない精度で宇宙の謎へと迫っていきます。