研究紹介

電気情報工学科の教員が取り組んでいる研究活動を紹介します。

大野教授の研究紹介

大野研究室

研究内容
有機半導体
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有機半導体は、有機物を用いて電気的・光学的な機能を実現するエレクトロニクス材料です。一般的な無機半導体とは異なり、分子が集まって材料を形成しています。そのため、同じ分子からできた材料であっても、分子の並び方や集まり方、薄膜を作る条件などによって、電気の流れやすさが大きく変化します。このような性質を理解することは、有機ELや有機太陽電池、各種センサ、有機FETなどの性能向上につながります。

私たちの研究室では、「分子がどのように並ぶと、電荷がどのように動くのか」を明らかにすることを目指しています。コンピュータシミュレーションや分子構造解析を用いて、分子の配向や凝集状態を調べ、それらと電荷の移動しやすさとの関係を研究しています。また、分子間の相互作用によって生じるエネルギーのばらつきや、その空間的なつながりについても解析しています。

さらに、薄膜の作製条件を変えて分子の並び方を制御し、実際の電気特性や電荷輸送特性を測定する研究も進めていきます。実験とシミュレーションを組み合わせることで、分子一つ一つの性質だけでなく、分子が集まってできる構造が材料全体の電気的性質をどのように決めているのかを明らかにしようとしています。

田窪洋介准教授の研究紹介

田窪研究室

研究内容
未知の素粒子探索、計量言語学
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researchmap / 研究室ページ

宇宙観測の結果、人類がこれまでに発見してきた素粒子が、宇宙全体のエネルギーに占める割合は、わずか約5%に過ぎないことが明らかになっています。残りの約27%は未知の素粒子である暗黒物質、さらに約70%は未知のエネルギーによるものとされています。このような背景から、宇宙の本質を理解するためには、暗黒物質の正体を解明することが重要な課題となっています。

一方で、素粒子のようなミクロの世界は、量子力学という法則に従って記述されます。近年では、この量子力学の特性を利用した新しい計算機である量子コンピュータの開発が、世界的な競争の中で急速に進められています。すなわち人類は現在、素粒子や量子力学の原理を理解する段階から、それらを実際に活用する段階へと移行しつつあります。

田窪研究室では、「暗黒物質を捉えるための検出器システムの開発」に取り組むとともに、素粒子実験で培われたデータ解析技術を応用し、「自然言語の統計的性質の研究」も推進しています。また、量子コンピュータの実用化を見据えて、量子技術教育の研究にも取り組んでいます。

矢野研究室の研究紹介

矢野研究室

研究内容
高エネルギー素粒子実験、ニュートリノ研究
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高エネルギー素粒子実験、なかでもニュートリノ研究は、日本が世界をリードしてきた分野の一つです。私の研究はニュートリノの性質や振る舞いを明らかにし、またニュートリノを用いて超新星などの天体を観測することを目的としています。ニュートリノは非常に軽く、電荷を持たない素粒子であり、地球のような大きさの物質でもほとんど通り抜けてしまいます。そのため、ニュートリノの観測は非常に困難ですが、その性質を解明することは宇宙の成り立ちや基本的な物理法則の理解に重要な手がかりとなります。

私の研究グループでは国内のニュートリノ実験であるスーパーカミオカンデやT2K実験を推進しています。これらの実験では十数光子の微弱な信号を捉える大型水チェレンコフ検出器や、光速の99.98%まで陽子を加速する強力な粒子加速器が用いられています。このような実験施設の実現や運用には、新たな技術の開発や研究を欠かすことはできません。私たちは次世代の実験であるハイパーカミオカンデについても、その設計や建設、研究開発に積極的に参加しています。

これらの実験では、ニュートリノの振動現象を観測し、ニュートリノが質量を持つことを示す重要な証拠が得られました。現在ではニュートリノ反応から生じる中性子の観測能力を大幅に高める改良を行い、新たな天体事象・物理現象の探索や、ニュートリノの性質のさらなる理解を目指しています。また、2028年にはスーパーカミオカンデの8倍の有効体積を持つハイパーカミオカンデが観測を開始し、これまでにない精度で宇宙の謎へと迫っていきます。

若林研究室の研究紹介

若林研究室

研究内容
超小型衛星(CubeSat)の通信系開発と運用、宇宙人材の育成
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「CubeSat」は、一辺10 cmの立方体を基準サイズ(1U)として規格化された超小型人工衛星です。2021年11月には、国立高専が連携して開発した2UサイズのCubeSat「KOSEN-1」が打ち上げられ、その後も後継機である「KOSEN-2」「KOSEN-2R」「KOSEN-3」の開発が継続的に進められています。本研究室は、これらの人工衛星の通信系を中心に開発へ参画しています。

また、本校屋上には直径2.4 mのCバンド対応パラボラアンテナを設置しており、現在開発中の「KOSEN-3」の地上局設備として活用される予定です。さらに、東京科学大学(坂本研究室、広川・戸村研究室)が開発した「OrigamiSat-2」のCバンドダウンリンク運用を共同で担当し、衛星ミッションの達成にも貢献しています。

このほか、将来宇宙分野への就職や進学を目指す高専生の育成にも取り組んでいます。国立高専で初めて宇宙産業を志向した正規科目として単位認定されている「宇宙システム利活用人材育成特別課程」の運営に携わるとともに、宇宙システムを模擬した「成層圏気球ペイロード」の開発を行っています。